適格請求書 (インボイス) の税計算
ソクミツの見積で消費税がどう計算されるかを説明します。税抜(外税)と税込(内税)の商品が混ざるとき、税率が混ざるとき、値引き・前受金があるときの数字の決まり方と、適格請求書 (インボイス) として PDF に出る項目が分かります。
計算の基本ルール
消費税の端数 (1 円未満) の処理は、1 枚の見積につき税率ごとに 1 回だけ
インボイス制度のルールです。明細ごとに税額を出して端数を処理し、それを足すやり方はしません。
例: 税抜 ¥1,005・税率 10% の商品が 3 行あるとき
| 計算のしかた | 税額 |
|---|---|
| ソクミツ (税率ごとに 1 回) | ¥3,015 × 10% = ¥301.5 → ¥301 |
| 明細ごとに端数処理して足す (インボイスでは認められない) | ¥100.5 → ¥100 が 3 行 → ¥300 |
明細ごとに計算する請求書と比べると、合計が数円違うことがあります。
税率ごとの計算のしかた
明細を税率 (税区分) ごとにまとめ、まとめた額から税額を 1 回だけ出します。
- 外税の明細: 税率ごとに税抜の額を合計し、その税 (外税分の税) を出す
- 税込の対象額 = 外税の合計 + 外税分の税 + 内税の明細の額 (税込のまま)
- 消費税額 = 税込の対象額 × 税率 ÷ (100 + 税率) を、端数処理する
- 税抜の対象額 = 税込の対象額 − 消費税額
内税の明細は、入力した税込の額をそのまま使います。税抜の額は「税込の額 − 消費税額」で出すので、税抜 + 消費税 = 税込の額 が必ず成り立ち、1 円もずれません。
例: 内税 ¥60,000 (10%) の明細 1 行
消費税額 = ¥60,000 × 10 ÷ 110 = ¥5,454.54… → ¥5,454 (切り捨て)
税抜 = ¥60,000 − ¥5,454 = ¥54,546
→ ¥54,546 + ¥5,454 = ¥60,000 (額面どおり)
外税だけの見積では、結果は「税抜の合計 × 税率 を端数処理」と同じになります。
例: 外税と内税、10% と軽減 8% が混ざる見積
| 明細 | 金額 | 税込 / 税抜 | 税率 |
|---|---|---|---|
| 祭壇 | ¥100,000 | 税抜(外税) | 10% |
| 供花 | ¥60,000 | 税込(内税) | 10% |
| お弁当 | ¥5,400 | 税込(内税) | ※8% |
10% の行
外税分の税 ¥100,000 × 10% = ¥10,000
税込の対象額 ¥100,000 + ¥10,000 + ¥60,000 = ¥170,000
消費税額 ¥170,000 × 10 ÷ 110 = ¥15,454.54… → ¥15,454
税抜の対象額 ¥170,000 − ¥15,454 = ¥154,546
※8% の行
税込の対象額 ¥5,400
消費税額 ¥5,400 × 8 ÷ 108 = ¥400
税抜の対象額 ¥5,400 − ¥400 = ¥5,000
合計(税込) ¥154,546 + ¥15,454 + ¥5,000 + ¥400 = ¥175,400
この見積の画面・PDF の金額は次のとおりです。
小計 ※1 ¥165,400 ← ¥100,000 + ¥60,000 + ¥5,400 (明細の金額の合計)
消費税 ※2 ¥ 10,000 ← 外税の明細 (祭壇) の消費税だけ
合計(税込) ¥175,400
税率内訳(適格請求書)
消費税 10% 対象(税抜) ¥154,546
消費税(10%) ¥ 15,454
消費税 8%(軽減税率) 対象(税抜) ¥ 5,000
消費税(※8%) ¥ 400
画面と PDF の合計欄
金額合計
| 見積の明細 | 表示される行 |
|---|---|
| 税抜(外税)だけ | PDF: 「小計(税抜)」「消費税」「合計(税込)」。見積の画面の「金額合計」: 「合計金額(税込)」 |
| 税込(内税)だけ | 合計だけ (税は下の税率内訳で分かります) |
| 外税と内税が混ざる | 「小計 ※1」「消費税 ※2」「合計(税込)」と、注記 2 行 |
外税と内税が混ざるときの注記は次のとおりです。
- ※1 税抜商品の税抜価格と税込商品の税込価格を合算した金額です。
- ※2 税抜商品に対する消費税のみを表示しています。
「消費税 ※2」は外税の明細の税だけなので、下の税率内訳の消費税の合計とは違う額になります (上の例では ¥10,000 と ¥15,854)。
税率内訳 (税区分ごと)
合計の下に、税率ごとの「〇〇 対象(税抜)」と「消費税(〇〇)」が出ます。見積の画面では「税率内訳(適格請求書)」という見出しです。
- 内訳は税率マスタの 税区分ごと に分かれます。同じ 8% でも、軽減税率の 8% と旧税率 (経過措置) の 8% は別の行です。非課税と不課税も別の行です (税額の行は出ません)
- 並び順は税率の高い順です
- 軽減税率の行と明細の税率には「※」が付きます (例: ※8%)
税率マスタについては 税率マスタ をご覧ください。
オプションの税率が親の商品と違うとき
プランの中のオプションは、ふつうは親の商品 (プラン) の金額に含めて、親の税率で計算します。親と税率が違うオプション (例: 10% のプランに入れた 8% の返礼品) だけは、その額を親から切り出して、オプションの税率で計算します。
- 切り出す額 = オプションの額 (1 セット分) × 親の数量
- 税込 / 税抜は、切り出したオプションも親の商品に従います
- PDF では、親と税率が違うオプションの行に税率 (例: ※8%) が表示されます
端数処理
消費税額の端数処理は、管理 → 組織設定 の「消費税の端数処理」で選びます (切り捨て / 四捨五入 / 切り上げ)。
- 見積を保存したとき、そのときの組織の設定が 見積ごとに保存 されます。下書きを編集して保存し直すと、その時点の設定になります
- 確定済みの見積は、あとで設定を変えても変わりません
- 変更見積は、元の見積の端数処理を引き継ぎます
詳しくは 消費税の端数処理 をご覧ください。
値引きと税計算
値引きの行 (マイナスの金額) は、その行に選んだ税率の分から差し引きます。ほかの税率に振り分けることはしません。
例: 10% の商品 ¥100,000 に、10% の値引き −¥10,000
10% の対象 (税抜) ¥100,000 − ¥10,000 = ¥90,000
消費税 ¥9,000
合計(税込) ¥99,000
10% と 8% の商品が混ざる見積で値引きするときは、値引きする商品に合わせて税率を選んでください。
前受金と税計算
前受金は税計算に入れず、合計(税込)から差し引くだけです。
合計(税込) ¥99,000
前受金 −¥30,000
──────────────────────
お支払い残金 ¥69,000
変更見積の税計算
変更見積でも、同じ計算 (税率ごとに 1 回) で変更分の税を出します。
例: 確定済みの見積から 10% のオプションを ¥1,000 (税抜) 減らした場合
今回変更 小計(税抜) −¥1,000
消費税 −¥100
今回変更 合計 −¥1,100
適格請求書 (インボイス) に必要な項目
ソクミツの標準の帳票 (見積書・見積書兼注文書・請求書) には、次の項目が印字されます。
| 必要な項目 | ソクミツで印字されるもの |
|---|---|
| 発行事業者の名称 | 管理 → 企業情報 の「正式社名(印刷用)」(空のときは組織名) |
| 登録番号 | 管理 → 企業情報 の「登録番号(インボイス)」 |
| 取引の年月日 | 見積の日付 |
| 取引の内容 (軽減税率の対象であること) | 明細と税率の列。軽減税率は「※8%」のように ※ が付く |
| 税率ごとに区分した対価の額 | 税率内訳の「〇〇 対象(税抜)」 |
| 税率ごとの消費税額 | 税率内訳の「消費税(〇〇)」 |
| 書類を受け取る方の名称 | 顧客の宛名 |
登録番号の入れ方
- 管理 → 企業情報 を開く
- 「登録番号(インボイス)」に、適格請求書発行事業者の登録番号を入力する
- T + 13 桁の数字です。先頭の T は省略して 13 桁だけ入れても、保存すると T が付きます
- 登録していない場合は空欄にしてください。T の付かない法人番号を入れないでください
- 保存する
入力すると、標準の帳票すべてで社名・住所の下に「登録番号: T1234567890123」のように印字されます。空欄のときは印字されず、その帳票は適格請求書の要件を満たしません。
よくある質問
Q. 明細ごとに税を計算する形で出せますか?
A. できません。ソクミツはインボイス制度に合わせて、税率ごとに 1 回だけ端数処理する方式です。
Q. 取引先から「合計が 1 円ずれている」と言われました
A. 取引先が明細ごとに税を計算している可能性があります。インボイス制度では、税率ごとに 1 回だけ端数処理するのが正しい計算です。
Q. 軽減税率の明細に自動で印が付きますか?
A. はい。商品や明細の税率が「消費税 8%(軽減税率)」なら、画面と PDF で「※」が付きます。